洗浄の必要性と重要性

洗浄の必要性

何故、洗浄は必要なのでしょう?
皆さんは日々何かを“洗って”いますね? 食器だけでなく手や身体も…。洗う目的は「清潔」のためと言っていいでしょう。汚れていることがなぜダメなのか…? それは、2つあります。1つは“見た目”です。汚れている状態を好む人はいません。もう1つは“汚染による危害”を防ぐことです。
洗浄行為をしない限り、有害な微生物やウイルスを取り除くことはできないのです。
では汚染によってどんな危害があるのでしょう。皆さんは「食」に関わるお仕事に就かれていると推察します。食品調理場における最も重要な危害の1つは「微生物やウイルス汚染による食中毒」です。食品調理場で使用される食材・資機材・設備等には多くの汚れや微生物・ウイルスが存在しています。

洗浄の重要性

細菌・ウイルスなどの微生物を死滅させて除去、食物残差などを除去し殺菌効果を増強
皆さんは「消毒」「殺菌」という行為を日常的に実施されていることと思います。「洗浄」の目的は細菌・ウイルスなどの微生物を死滅させて除去すること・また、微生物にとっての栄養源・・食物残差などですね・・それを除去し、殺菌効果を増強することになります。「洗浄」と「殺菌」は組み合わせて効果を発揮します。もし、「殺菌」を先に行ってしまうと残った汚れが微生物 を殺菌剤から保護してしまい、殺菌効果を弱めてしまいます。適切な「洗浄」が実施されず汚れが落とせていない状況で「殺菌」を行っても、微生物の減少という目的が達成できないという結果になってしまいます。
最も菌数が減少したのはA~Dのどれでしょうか? 普通に考えても一番減少したのはD。一番減少しなかったのはAです。では次にBとCどちらの金数が減少したでしょう? 菌を殺すのだからCの次亜塩素酸ナトリウムと考えがちですが、実際にはBの中性洗剤で洗浄したまな板の菌数が減少しました。すでについた汚れがバリアとなり、除菌剤が接触できず、細菌を殺せないからです。