洗剤・薬剤の種類と使い方

洗剤・薬剤には様々な種類があり、それぞれの効果と正しい使い方を理解する必要があります。誤った使い方や保管方法をしていると、本来の効果が得られない場合があります。

中性洗剤

界面活性剤の働きにより、油汚れを乳化して落とすことができます。汚れを落とすだけで殺菌はできないため、洗浄後の殺菌処理が必要です。野菜・果物は中性洗剤で洗浄し、流水で十分すすぎ洗いをします。

中性除菌洗浄剤

調理器具の洗浄と殺菌が同時に行えて効率的です。

殺菌剤(次亜塩素酸ナトリウム)

食品に使用できる食品添加物(食品添加物殺菌料)のものを使用します。
正しい使い方
  • 希釈して使用する。
  • 希釈液は作り置きせず、毎回使用するごとに作る。
  • 必ず水(常温25℃まで)で希釈する。
  • 他の洗剤、薬剤とは混ぜない。
  • 汚れをしっかりと落としてから使用する。
  • 漬け込みは適切な時間放置する。
    ふきん、容器類:5〜10分間
    まな板:30分間以上
    スポンジ:5分間 「スポンジたわしの除菌」へ
    ※いずれも200ppmの場合
  • フタをしっかり閉め、直射日光が当たらず、温度変化の少ない場所で保管する。
  • 移し替える場合は、指定容器(遮光容器)を用い薬剤名を表記する。
  • 手袋をして使用する。

市販されている次亜塩素酸ナトリウムの有効塩素濃度は必ずしも同じではありません。6%のものや12%のものが主流ですが、他の濃度になっているものもあります。必ず原液の濃度を確認し、そこから計算して適切な希釈を行いましょう。
 

例)
6%の次亜塩素酸ナトリウムを用いて200ppmの希釈液を作りたいときは、
6%(=60,000ppm)÷ 200ppm = 300(倍)
10Lの水には10,000mL ÷ 300 = 33mL = キャップ(20mL)約1杯半
 

例)
12%の場合/10Lの水には17mL = キャップ(20mL)約1杯弱
 

sterilization_200ppm
誤った使い方
  • 原液のまま使用する。
  • 希釈液を大量に作り置きして保管する。
  • 温水、熱水で希釈する。
    (効果が失われる)
  • 他の洗剤、薬剤と混ぜる。
    (化学反応を起こす可能性がある)
  • 汚れが残ったまま使用する。
    (殺菌力が低下する)
  • フタのない容器で、直射日光が当たる場所で保管する。
    (温度上昇により効果が薄れる)
  • 透明容器に移し替えて保管する。
  • 素手で使用する。

アルコール製剤

食品に使用できる食品添加物(食品添加物殺菌料)のものを使用します。
正しい使い方
  • 洗浄してから使用する。
  • 水分を十分に拭き取ってから噴霧する。
  • フタをしっかり閉め、直射日光が当たらず、温度変化の少ない場所で保管する。
誤った使い方
  • 汚れが’残ったまま使用する。
  • 水分が残ったまま噴霧する。
    (水で薄まると除菌効果がなくなる。)
  • フタを開けたまま保管する。
    (アルコールは揮発性が高いため、揮発して効果がなくなる。)

強力洗剤(アルカリ性洗剤)

アルカリの効能による化学反応で、油汚れを分解遊離し洗浄します。
正しい使い方
  • 必ずゴム手袋、保護メガネ(アルカリ飛沫水から目を守るため)を着用して使用する。
  • 濃縮タイプは希釈して使用する。
  • 他の洗剤、薬剤とは混ぜない。
注意
強アルカリ性の洗剤は人体へ影響を与える可能性があるため、取り扱いには十分注意が必要です。万が一、皮膚についた場合は、すぐに流水で十分洗い流します。

予備洗浄剤

自動食器洗浄機を使った洗浄前の予洗いに使用します。事前の浸漬(漬け置き)することで効果があります。専用の予備洗浄剤を使用します。

食器洗浄機用 洗剤(アルカリ性洗剤)

食器洗浄機には、必ず専用の洗剤を使用します。食器洗浄機は水圧とアルカリの効能による化学変化で汚れを落とします。中性洗剤は気泡が発生し、水圧の抵抗になるため不適切です。
注意
強アルカリ性の洗剤は人体へ影響を与える可能性があるため、取り扱いには十分注意が必要です。万が一、皮膚についた場合は、すぐに流水で十分洗い流します。