和歌山地場産業のルーツ
ルーツは棕櫚(しゅろ)という木から始まります。棕櫚はヤシ科の植物で、約10メートルにもなります。葉は上の方にあり、垂れ下がっています。幹に巻きついている繊維(皮)がたわしやほうきなどに利用されます。
和歌山県での棕櫚栽培の起源は、およそ千二百年もの昔に、弘法大師(空海)が唐(中国)から持ち帰った種子を、寺院の庭先に蒔いたことに始まると言われています。
高野山やそのふもとの海南市の奥、紀美野町では古くから棕櫚を原料にして、たわし、ほうき、縄、などを製造する「地場産業」が盛んに行われてきました。
このルーツである棕櫚の木を記念するために、キクロン本社工場玄関入り口に植えています。
明治後半に、棕櫚が国内で原料不足になったことから、スリランカにある、棕櫚によく似たパーム(ヤシの実)の繊維に依存することになったのです。